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東京地方裁判所 昭和60年(ワ)14773号 判決 1988年5月17日

原告 甲野二郎

被告 甲野一夫

右訴訟代理人弁護士 輿石睦

同 松澤與市

同 寺村温雄

主文

原告と被告との間において、原告が別紙物件目録記載(一)及び(二)の土地について建築基準法所定の通路を目的とし、賃料を一か月三七〇〇円とする賃借権を有することを確認する。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

主文と同旨

二  請求の趣旨に対する答弁

1  原告の請求を棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二当事者の主張

一  請求の原因

1(一)  原告は、別紙物件目録記載(一)の土地(以下「本件(一)の土地」という。)を所有していたが、昭和三六年五月六日、被告に対し、原告が将来その所有する同目録記載(三)の土地(以下「本件(三)の土地」という。)上の建物の改築手続に必要のときは、被告は本件(一)の土地をその必要とする期間、時価の半額の賃料をもって賃貸する条件付きで、本件(一)の土地を売り渡した。

(二) そして、右条件中の改築手続に必要なときというのは、建築基準法に適合する通路を目的としてという趣旨である。そのように解さなければならない理由は次のとおりでなる。

(1) 原告は、本件(一)の土地を本件(三)の土地に通ずる私道として所有していた。

(2) 被告は、昭和三六年当時本件(一)の土地に隣接する別紙物件目録記載(四)の土地(以下「本件(四)の土地」という。)を所有していたが、被告方は夫婦・子供の五人世帯のほか被告の妹乙山春子(医師・台湾人医師乙山某と婚姻)が時々台湾より帰り被告宅に滞在するため、本件(四)の土地では狭小で希望する間取りの建物の設計ができないことを理由に、叔父である原告に対し、本件(一)の土地の譲渡を懇願した。

(3) 原告は、被告に対して本件(一)の土地を譲渡すると、原告の所有する本件(三)の土地が建築基準法所定の接道要件を充たさなくなり、本件(三)の土地上の原告の妻所有のアパート(以下「本件アパート」という。)を将来改築する場合に、建築確認を得ることができなくなるので、被告の右懇願を受け入れることを躊躇した。

(4) しかし、被告が将来原告の妻が本件アパートを改築するときは原告に対して本件(一)の土地を時価の半額の賃料をもって賃貸することを確約したので、原告は、叔父・甥間の信頼と情義に基づいて、被告に対し、本件(一)の土地を売り渡したのである。(以下これを「本件(一)の土地の売買」という。)。

(5) 右に述べたことからも分かるように、本件(一)の土地の売買に前記条件を付するに当たって原告に建築基準法を脱法する必要性も動機もないから、本件(一)の土地の売買全体を有効とする以上は、右条件の内容である賃貸借は建築基準法に適合する通路を目的とするものであると解すべきである。

(6) なお、右が被告の主張するように不法の条件を付したものであるとするならば、本件(一)の土地の売買全体が無効となる筋合である。

2(一)  原告は、別紙物件目録記載(二)の土地(以下「本件(二)の土地」という。)を含む分筆前の本件(三)の土地九五・五四坪を所有していたところ、原告の兄で被告の父である亡甲野一郎(以下「一郎」という。)は、昭和二七年六~七月ころ、原告に無断で、右分筆前の本件(三)の土地のうち原告が私道として使用していた本件(二)の土地及びその南西側の隣地・東京都新宿区《省略》番四に達するまでの土地合計約一〇坪を本件(二)の土地の北東側に隣接する一郎所有の別紙物件目録記載(五)の土地(以下「本件(五)の土地」という。)とともに氏名不詳者に売却してしまった。丙川松子(以下「丙川」という。)は、昭和二八年九月ころ、右氏名不詳者から、右土地を買い受けたもののようであったが、一郎が同年七月一〇日死亡しており、被告も茨城県に居住していて連絡がとれずに困却し、たまたま隣地にいる同姓の原告を訪ねて原告が一郎の弟であることを知り、原告に対し、右本件(二)の土地を含む原告所有地約一〇坪について所有権移転登記手続をすることを迫った。原告は、ここに至ってはじめて一郎が右原告所有地を無断で売却したことを知って驚愕するとともに、右原告所有地が本件(三)の土地の私道部分に当たり一郎の右原告所有地の無断売買を認めると本件(三)の土地が袋地になってしまうので一郎の行為を到底許容することができなかったが、明治生まれの気性から兄のしたことを弟が放置することができず、丙川に対し、将来本件アパートを改築するときは無償で貸すことを条件にして右原告所有地約一〇坪の半分に当たる本件(二)の土地を譲渡することとし、分筆前の本件(三)の土地から本件(二)の土地を分筆したうえ右土地について所有権移転登記手続をした。

(二) 原告は、右条件が時間の経過とともに風化することをおそれ、昭和三八年七月二八日、原告、被告及び丙川の三者で、右三者が円満に隣人関係を維持増進することを主眼とし、それぞれ重大の支障のない限り、相互に利便を供与するものとする等の内容の覚書(以下「本件覚書」という。)を作成し、所有者が交替した場合にも、右取決めを自動継承するよう取り計らうものとする合意をし、本件覚書を作成した。右合意は、以上の経緯からも分かるように、本件アパートの改築等をするときは、本件(二)の土地を無償で貸与すること等をその所有者が交替した場合にも引き継ぐことを含むものである。

(三) 被告は、昭和六〇年一月ころ、丙川から、本件(二)及び(五)の土地を買い戻した。したがって、被告は、原告から、本件アパートの改築のため本件(二)の土地の貸与を申し出られたときは、貸与する義務を承継したか、以上の経緯に照らせば、一郎の相続人として信義則上原告に賃貸する義務があるというべきである。

3  本件アパートは、築後二〇数年を経過し、風呂の設備もなく陳腐化し、また、本件(三)の土地一帯は防火地区に指定されたので耐火構造とするため、改築することとし、原告は、昭和六〇年、被告に対し、本件(一)及び(二)の土地の賃借の話合いをするべく、東京家庭裁判所に調停の申立をしたが、被告が同年一一月一一日に開かれた第一回調停期日に出頭しなかったので調停は不成立に終った。

4  本件(一)及び(二)の土地の近隣地の賃料は、月額坪当たり七〇〇円であるから、本件(一)及び(二)の土地の賃料額は、前記約定により月額三七〇〇円となる。

よって、原告は、被告との間で、請求の趣旨のとおりの判決を求める。

二  請求の原因に対する認否

1(一)  請求の原因1の(一)のうち、原告が本件(一)の土地を所有していたこと、原告がその主張する日に被告に対して本件(一)の土地を売り渡したこと、右売買に「原告が将来新築手続のため右土地を其の必要とする期間中、時価の半額を以て賃貸するものとする。」との約款があることは認めるが、その余の事実は否認ないし争う。右約款にはさらに「万一垣を取壊す必要ある時は原告の負担に於て用済後復帰するものとする」との約定が付加されており、右約款全体の趣旨は、原告が本件(一)の土地を被告に売却することにより、本件(三)の土地の公道に至る通路部分の幅員が約一・五メートルとなり、将来本件アパートを建て替える際、建築確認がおりないため、建築確認をとる手続上必要な限度で原告に賃貸し、用済後(建物完成、完了検査後)原状に復帰するというもので、いわば建築基準法の脱法目的の一時賃貸借を合意するものであって、法的保護を受けるに値しないものである。したがって、このような合意に基づき原告に対する賃貸借を認めることは建築基準法違反の脱法行為を是認することにほかならない。

(二) 請求の原因1の(二)のうち、(1)の原告が本件(一)の土地を所有していたこと、(4)の原告が被告に対して本件(一)の土地を売り渡したことは認めるが、その余の事実は、(2)の被告が昭和三六年当時本件(四)の土地を所有していたことを除いて、否認ないし争う。

2  請求の原因2のうち、(三)の被告が丙川から本件(二)及び(五)の土地を買い受けたこと、被告が一郎の相続人であることは認めるが、その余の事実は不知ないし争う。原告が主張する原告と丙川間の無償使用の約束なるものは被告に対してなんらの拘束力をもつものではない。

3  請求の原因3のうち、原告が東京家庭裁判所に調停の申立をしたこと、昭和六〇年一一月一一日の期日に調停が不成立で終ったことは認めるが、その余の事実は不知ないし争う。

4  請求の原因4の事実は不知。

第三証拠《省略》

理由

一1  原告が本件(一)の土地を所有していたこと、原告が昭和三六年五月六日に被告に対して本件(一)の土地を売り渡したこと、右売買には原告が将来新築手続のため右土地を必要とする場合、被告はその土地をその必要とする期間中時価の半額をもって賃貸するものとするとの約款があることについては、当事者間に争いがなく、被告が昭和三六年当時に本件(四)の土地を所有していたことについては、被告において明らかに争わないからこれを自白したものとみなす。

2  そして、《証拠省略》を総合すれば、次の事実を認めることができる。

(一)  原告と原告の長兄で被告の父である一郎は、昭和二四年六月ころ、丁原竹夫から、代金の半分ずつを出し合って、東京都新宿区《省略》番五宅地九五・五四坪と同番六宅地五七・六〇坪を買い受けたが、当時一郎が岡山市に居住していたので、右売買や右両地についての所有権移転登記手続は一切原告が行ったこと、右両地はもと一筆の土地の一部で、間口約一一~二メートルの短冊型といってもよいほどの長方形の土地であったが、原告と一郎が右土地を買い受けるに当たり右のとおり同番五と同番六の二筆に分筆されたこと、原告は、右売買については一郎から一切を任されていたので、右両地のどちらを取るかを自由に決定することができたが、長幼の序に従い、公道側の同番六の土地を一郎に譲り、自分は奥の・右公道に接する幅員約三メートル・奥行約二〇メートルの通路様部分(右通路様部分は、同番六の土地の南西側にある。)を含む同番五の土地を取得することとしたこと、そして、原告は、一郎の指示により、同人が取得した同番六の土地について被告名義で所有権移転登記手続をしたこと。

(二)  一郎は、昭和二六年ころ、同番六の土地のうちの二九・五四坪(本件(五)の土地に相当)と同番五の土地のうちの前記通路様部分の奥側の部分約一〇坪合計四〇坪を売却し、当時茨城県《番地省略》の診療所に医師として勤務していた被告の許に身を寄せたこと、妻名義で同番五の土地上に家を建てて居住してした原告は、昭和二八年になって、右四〇坪の土地を買った丙川の訪問を受け、丙川から一郎が死亡しており、被告とは連絡が取れないので登記ができないなんとかしてくれと泣きつかれ、はじめて自分の所有地である同番五の土地の一部が一郎によって勝手に売られたことを知ったこと、丙川は、原告に対し、一郎と原告が兄弟であることを盾に取って、右原告の所有地についても所有権移転登記手続を迫ったが、原告としては一郎の右原告所有地の売却を認めると、同番五の土地のうち右家の建っている部分が完全に袋地になってしまうので、丙川の要求を呑むことができなかったこと、しかしながら、明治生れで昔気質の原告は、兄の仕出かしたことを放置するもできず、妥協策として右原告所有地のうち同番六の土地寄りの半分幅員〇・八八間、奥行六・一五間の五・四一坪を、原告が同番五の土地上の右家を建て替えるときは右土地を無償で使用させることを条件に、無償で譲渡することとし、丙川もそれを了解したので、同年一〇月一日、右土地を同番五の土地から分筆して同番一五の土地すなわち本件(二)の土地とし、翌二日、右土地について丙川のために所有権移転登記手続をしたこと、丙川は、その後間もなくして、本件(五)の土地上に居宅兼共同住宅を建て、本件(二)の土地は南西側等に柵をしてそこを庭として使用していたこと、なお、原告は、そのころ、本件(二)の土地を除く同番五の土地から北西の一画二二・六八坪ほどを同番一七として分筆したものの如くであること、

(三)  被告は、昭和三六年ころ、同番六の土地から丙川に譲渡した本件(五)の土地を除いた残地すなわち本件(四)の土地上に居宅を建てることを計画した(被告が昭和三六年当時本件(四)の土地を所有していたことについて擬制自白が成立することは、前記のとおりである。)が、本件(四)の土地は二八・〇六坪しかなく手狭に感じられたので、原告に対し、本件(二)の土地と同番一七の土地を分筆後の同番五の土地六七・四五坪の公道に接する通路様部分(前記通路様部分から本件(二)の土地を除いた部分)のうち本件(二)の土地と右公道との間の本件(四)の土地寄りの幅員〇・八八間、奥行五・八五間の土地五・一四八坪の譲渡を申し込んだこと、被告は、右申込をするについて原告が丙川に対して本件(二)の土地を譲渡したことを意識していたこと、原告は、被告の申込を承諾すると、建築基準法の接道義務の要件を充足することができなくなるため、同番五の土地上の前記家の建替えができなくなるばかりでなく、丙川の前記居宅兼共同住宅の建替えも同様に不可能になるので、躊躇したこと、しかし、原告と被告は叔父と甥であり、当時両者の交わりも良好であったことから、原告は、昭和三六年五月六日、前記1の約定及び「乙(被告のこと)が他人に売却した場合も此の条件は自動的に継承するものとする。」ことを条件に、代金を一〇万円としそれを四年間に割賦で弁済する、代金完済と同時に右五・一四八坪の土地を同番五の土地から分筆して所有権移転登記手続をすることの約定で被告の申込を承諾することとし、被告とその旨を認めた土地売買契約書を取り交わした(原告と被告間の本件(一)の土地の売買については、前記のとおり、当事者間に争いがない。)が、被告は、その際、右条件に「万一垣を取壊す必要ある時は甲(原告のこと)の負担に於て用済後復帰するものとする。」ことを追加することを要求したので、原告はそれを了承して右契約書に書き加えたこと、

(四)  原告の妻甲野花子は、昭和三七年七月二〇日、同番五の土地上の前記家に共同住宅を増築するため東京都新宿区に対して確認(建築物)の申請をし、同年八月三日、建築主事の確認通知を受け、原告及び原告の妻花子は、同年一二月七日にもさらに共同住宅を増築するため同様の申請をして同月一七日に同じく確認通知を受けてそれぞれの建築をし(この建築物が本件アパートである。)、同月二七日、ともに建築主事の検査済証を受けたこと(右両確認の申請において、その敷地である同番五(もっとも、はじめの申請では同番となっている。)の面積は七一・四七坪になっており、右坪数は実測面積かと思われるが、必ずしも明らかでない。)、原告、被告及び丙川は、昭和三八年七月二八日、右三者が円満な隣人関係を維持増進することを主眼とし、右三者はそれぞれ重大の支障のない限り相互にその所有地について利便を供与する、右三者がその所有地を譲渡した場合には譲渡人は譲受人が右合意を自動継承するよう取り計らうものとする等の趣旨の内容の本件覚書を取り交したが、右利便供与の特定の冒頭に、原告及び一郎の父で被告の祖父に当たる「甲野松太郎の遺志に基づき」の文言が添えられており、右三者が右覚書を取り交した実質的な狙いは、原告と丙川が被告に対して原告が被告に対して譲渡した前記五・一四八坪を原告及び丙川の便益にも供させる趣旨を明らかにすることにあったとみられること、原告は、そのうえで、昭和五九年一月二九日、同番五の土地から前記場所において幅員〇・八七五間、奥行五・九間、面積五・一四坪を同番一八として分筆登記手続をし(これが本件(一)の土地である。なお、原告が本件(一)の土地を所有していたことについて当事者間に争いのないことは、前記のとおりである。)、同日、右土地について被告のため所有権移転登記手続をしたこと、

以上の事実を認めることができ(る。)《証拠判断省略》

二  前記一の1及び2の(三)の「甲が将来新築手続のため右土地を必要とする場合、乙は其の土地を、其の必要とする期間中時価の半額を以て賃貸するものとする。万一垣を取壊す必要ある時は甲の負担に於て用済後復帰するものとする。」の約款は、文理上は、原告が将来本件アパートの改築又は建替えをするときは、被告は、建築主事によるその建築の確認及び検査の終了するまでの間、原告に対し、本件(一)の土地を賃貸し、原告は、右検査の終了後原状に回復して、被告に対し、右土地を返還する趣旨に理解すべきであるかの如くである。しかし、そのように理解すると、本件(一)の土地の売買契約書(前記土地売買契約書)には右約款が条件であることが明記されているので、右約款は、原告が将来本件アパートの改築等をするときに被告が右の期間原告に対して本件(一)の土地を賃貸しないことを解除条件とするものであることになり、しかも、その趣旨は建築基準法四三条一項に違反することになるが、同条項は強行法規であると解される(東京高等裁判所昭和五五年九月一一日判決・判例タイムズ四三一号八三頁参照)うえ、前記一の2の(三)に認定した事実により、右条件が本件(一)の土地の売買のいわゆる原因であることは明らかであるから、右売買そのものが不法の条件を付したものとして民法一三二条によって無効になる筋合である。しかしながら、法律行為の解釈として条件を含めて契約はでき得る限り有効になるように解釈すべきであることからすれば、右約款は、原告が将来本件アパートの改築又は建替えをするときは、被告は、原告に対し、本件(一)の土地を、改築し又は建て替えた建物の存続する期間中、建築基準法所定の通路を目的として賃貸する趣旨のものつまり右のような内容の賃貸借の予約を定めたものと読んでも不都合とはいえないであろうし、前記一の2の(三)に認定した事実並びに《証拠省略》により認められる、本件(一)の土地が右売買以後庭ないし空地になっている事実から原告と被告の意思を忖度すると、そのように読んで右売買及び右賃貸借の予約を有効なものとするのが妥当な解釈であるというべきである。

三  被告が昭和六〇年一月ころに丙川から本件(二)及び(五)の土地を買い受けたこと、被告が一郎の相続人であることについては、当事者間に争いがない。そして、前記一の1の当事者間に争いのない事実及び2に認定した事実に鑑みれば、信義則上、原告が被告に対して本件(二)の土地を建築基準法所定の通路を目的とし前記二の本件(一)の土地の賃貸借と同じ条件で賃借することを申込んだときは、被告は、原告に対し、その承諾を拒むことができないと解すべきである。

四  原告が被告を相手方として東京家庭裁判所に調停を申し立て昭和六〇年一一月一一日の期日に右調停が不成立で終了したことについては当事者間に争いがなく、右調停の申立が本件(一)及び(二)の土地の賃借を求めるものであったことは《証拠省略》によりこれを認めることができる。

五  《証拠省略》によれば、本件(一)及び(二)の土地の近隣の土地の賃料が月額坪当たり七〇〇円であることを認めることができるから、本件(一)及び(二)の土地の賃料額は一か月三七〇〇円とするのが相当である。

六  よって、原告の請求は理由があるから認容し、控訴費用の負担について民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 並木茂)

<以下省略>

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